日本版LLC・LLPと株式会社との違い

 株式会社は監視機関が強いので大株主の意向に添った経営に陥りやすく、少数意見はなかなか反映されにくいです。しかし、日本版LLC・LLP は出資比率に応じず、権限や利益の配分、損失負担を自由に決定できます。
 

 

意思決定のスピード

 日本において、株式会社でかつ上場している事は一種のブランドでした。現在日本には、約115万社の株式会社が存在します。株式会社というだけで信用があり、事業拡大のための出資も集めやすいと言われていました。しかし、株式会社における意思決定は、株主総会や取締役会で行われるので素早い決断ができませんでした。 そんな株式会社の様々な問題点をクリアした新しい組織が、日本版LLC・LLPです。日本版LLC・LLPは、原則として全員一致で定款の変更、その他の会社のあり方が決定できます。また、監視機関の設置が強制されていないので、意思決定のスピードが増します。税制度においても株式会社に比べると、日本版LLPは構成員課税なので優遇されています。
 

権限・利益・損失の配分

 特に大きな違いが、株式会社が権限・利益・損失の配分を出資比率に応じるのに対し、日本版LLC・LLPは出資比率に応じなくてもよいという点です。 株式会社は、株主の意見を大切にするので、株主の意向に添った経営に陥りがちです。利益の配分も、いくら株を持っているかで決まります。しかし、日本版LLC・LLPでは書面で取り決めを行えば、出資比率に関わらず、事業への貢献の度合いなどに応じて、利益配分や損失負担を自由に決定できます。つまり、日本版LLC・LLPは何株持っているか、いくら出資したかではなく、いかにアイデアが面白いか、いかに技術が優れているか、ということが重要視されます。 例えば、資金力は乏しいが優れた技術のある研究者とある企業が日本版LLPを設立します。この際、出資比率が「研究者:企業=1:9」でも、特定の取り決めを行えば、利益の配分を「研究者:企業=4:6」など自由に決めることができます。特に、日本の大企業には埋もれている研究者が多いと言われています。偉大な発明をしても、その対価が支払われないと最近訴訟が起きていますが、実際大抵の研究者は生活の安定を考えなかなか大企業から飛び出すことができません。技術とノウハウを持った研究者を最大限活かし彼らの知的貢献に報いることができるのが、日本版LLC・LLPなのです。 このような日本版LLC・LLPのシステムがあれば、常にイノベーション(新しい知識や製品を早く普及させる)が起き企業価値が高まり、グローバル化による競争でも勝ち残れる会社になるでしょう。
 

持分の譲渡

 持分の譲渡に関する規律について,株式会社においては,株式の譲渡自由の原則が採用されています。一方,合同会社においては,持分の譲渡は他の社員の全員の一致が要求されるなどの違いがあります。
 
 
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区