日本版LLP(有限責任事業組合)の構成員課税

 会社は法人格を持つので、法人税が適用されます。法人課税では、会社が稼得した利益の一部を法人税として払いその残りの一部を出資者へ配当することになります。また、配当金についても、出資者は所得税を払うことになります。そのため、出資者がもらう配当には、結果的に法人税と所得税がかかるので、経済的2重課税と言います。
 一方、LLPは組合が稼得した利益に法人税がかからず出資者のみが所得税を払う構成員課税です。法人税を支払わず所得税のみでよいので、パス・スルー課税とも言います。所得税のみを払えばよいので、株式会社に比べLLPは出資者へのリターンが大きいです。
 企業が稼得した利益に法人税がかからず出資者が所得税のみを払うことを、構成員課税といいます。法人税を払わず所得税のみでよいので、パス・スルー課税とも言います。LLPの所得区分は基本的に、その事業内容に応じて決められます。また、贈与税には充分注意をする必要があります。
 
 
 

赤字の場合、黒字の場合

 例えば、プログラマーAとデザイナーB、そして営業担当のCが共同でソフトウェアの共同研究開発販売を行うとします。このような場合、今までは、株式会社を利用していました。しかし、株式会社で事業を行うと、赤字の場合、各出資者の所得と通算することができませんでした。また、黒字になっても、株式会社に法人税が適用された上に、配当にも課税されるなどデメリットがありました。
 しかし、LLPを活用すれば、これらの問題を解決できます。利益が出ても、LLPには法人格がないので法人税が適用されず、各出資者の利益分配に直接課税されるだけで済みます。プログラマーA・デザイナーB・営業担当のCは、2重課税を回避できるのです。
 
 
 また、損失がでれば各出資者の所得と損益通算することができます。ただし、租税回避対策として損益通算は、出資額を基礎とする一定額の範囲内と決められています。
 
 

柔軟な損益分配と注意点

 上記の他にもLLPの利点として、出資比率に応じない損益分配があります。株式会社は、何株持っているかで損益の分割が決まります。LLPも原則は、出資した額によって決まりますが、書面で特定の取り決めを行えば、損益分配を柔軟に行えます。
 例えば、出資比率をそれぞれ、プログラマーAは10%、デザイナーBは20%、営業担当のCは70%とします。しかし、一定の取り決めを行えば損益分配を、プログラマーAが30%、デザイナーBは30%、営業担当Cは40%、とすることもできます。一定の取り決めとは、以下のように行います。「組合員の損益分配の割合に関する書面」に出資・損益分配の割合とその理由を記載し、全構成員の署名がありはじめて柔軟な損益分配が可能になります。
 
 
 ただしこの際、損益分配の割合の理由に、経済的合理性がなければ、贈与税が課税される恐れがあります。事業への貢献度や労務を総合的に算定した理由や、算定式がきちんとなされてないと、思わぬ税負担の発生につながるので、損益分配の合理性を明らかにしておく必要があります。
 
 
 

贈与税

 LLPを運営しようとする人にとって、贈与税の知識は絶対に必要です。贈与税については、「123相続税・贈与税・遺言の部屋」で詳しく説明されています。
 

 
 
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