日本版LLP(有限責任事業組合)の内部自治

 内部自治とは、組織の内部ルールが、法律によって詳細に定められるのではなく、出資者同士の合意により自由に決定できることです。ようするに、出資者が自ら経営を行い、組織内部の取り決めが自由にできるということです。具体的な例としては、2つ挙げられます。
 

柔軟な損益分配

 1つ目は、LLPは特定な取り決めをすれば出資比率によらず、柔軟な損益や権限の分配ができることです。 株式会社は、1株1票の原則に従い、たくさん株を持っている人ほど、意思決定や会社の経営に携われます。つまり、株式会社では出資比率に応じた損益や議決権(権限)の分配が、原則として強制されています。しかし、LLPは、書面で取り決めれば、出資比率に関わらず、事業への貢献の度合いなどに応じて損益や権限の分配を自由に決定できます。出資者のノウハウの提供や労務などに応じて、分配をすることができるということです。ですから、LLPが出資比率に応じなくてよいというのは、大変画期的です。
 

監視機関の設置

 2つ目は、LLPは取締役会などの監視機関の設置が強制されていないということです。株式会社には、取締役会や監査役の設置が必要ですし株主総会もあります。ですから、自然と株主の意向に添った経営に陥りやすく、リスクの高い新規事業や、当面利益が出そうもない事業などを行うことは難しかったのです。しかし、LLPは、監視機関の設置が義務付けられていませんので、素早い意思決定が可能です。
LLPの意志決定は、原則として全員一致で行います。しかし、LLP契約で、例えば過半数による意思決定など全員一致以外の意思決定の方法を決めることも可能です。監視機関の設置がない上に、柔軟に意志決定の方法も定められるので、株式会社に比べ迅速な意思決定が可能です。
 以上のように、LLPは株式会社と違い、内部自治が徹底し早い意思決定を行えるので出資者のインセンティブが継続されます。
 
 
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区