日本版LLP(有限責任事業組合)での柔軟な損益分配

 株式会社は、原則として何株持っているかで損益の分割が決まります。LLPも同じように出資比率に応じて損益分配を行います。しかし、特定の取り決めを行えば、知識やノウハウの提供などに応じて柔軟な損益分配が可能です。
例えば、出資比率をそれぞれ、プログラマーAは10%、デザイナーBは20%、営業担当のCは70%とします。しかし、一定の取り決めを行えば損益分配を、プログラマーAが30%、デザイナーBは30%、営業担当Cは40%、とすることもできます。
 
  

柔軟な損益分配

 LLPの損益分配は原則として、会計帳簿に記載された各組合員の出資の価額に応じて決まります。しかし、LLP契約書で、組合員の出資の割合、組合員の損益分配の割合及びその理由、損益分配の割合の適用開始日の事項を記載すれば柔軟な損益分配が可能です。この場合、組合契約書には、組合員の全員が署名し、または記名押印しなくてはいけません。
 また、その他の柔軟な損益分配を行う方法として、以下のような方法もあります。
様式第一「組合員の損益分配の割合に関する書面」に出資・損益分配の割合とその理由を記載し、全構成員の署名がありはじめて柔軟な損益分配が可能になります。この様式第一「組合員の損益分配の割合に関する書面」は、適切に保存しておかなければいけません。
 ただし、柔軟な損益分配を行うことができるといっても、損益分配の割合の理由に、経済的合理性がなければ、贈与や寄付金課税等がされる恐れがあります。各組合員の事業への貢献度や労務を総合的に算定した理由や、算定式がきちんとなされてないと、思わぬ税負担の発生につながるので、損益分配の合理性を明らかにしておく必要があります。
 なお、利益分配もしくは損失分配の割合について、片方のみ定めた場合は、その分配の割合は、利益および損失両方の分配割合として推定されます。
 このようにLLPを利用すれば、例えば、優れた技術は持っているが資金がない個人と、その技術を活用したい会社やスポンサーがジョイント・ベンチャーを組むことができます。そして出資比率に応じない損益分配が可能なのです。今まで、資金がなくて事業を行えなかった研究者と、技術不足の会社が、共同で新しい事業を行えるようになるのです。
 
 
運営 税理士・中島IT会計事務所/東京都港区